倒れてるB下手側中央
明転
A「お邪魔します、大丈夫です。ありがとうございます」
A登場上手
A「ミズキ起きてる?」
B「…うん、また来たの?」
A「うん。…きょ、今日はさー、愚痴聞いて欲しくてさー」
B「え?」
A「アヤノがさー、好きな人に告白するために頑張ってたっていうから怒ったらさー、ケンカになっちゃって…。アヤノに言われちゃった。ミズキを助けるためとか言って本当は自分の方が強いと思いたいだけだって。違うって返したけど、少しね、やっぱり少し思ったことはあったの。ミズキは中学の頃から有名で、一緒にバスケが出来るのは嬉しかったけど、比べられるのはやっぱり辛かったなー。私とミズキは全然違うのにって」
B「ごめん」
A「違くて!それでも一緒にバスケするのは楽しかったよ。いつもコートでミズキの声が聞こえて、パスを繋げばシュートが決まって、ミズキが笑って、みんなが笑って、ハイタッチして。それがあたりまえになって…だから、ミズキがいなくなることなんて考えてなかった…」
B「ナナ?」
A「あの日、試合の日、あなたのいないコートに私の居場所なんてなかったよ。私のバスケはミズキがいなくちゃ何もかもなくなっちゃうの。だからお願い、これはただの私のわがままだけど、またあなたとバスケがしたいの」
B「私は、バスケが怖い、あの日のみんなの目が怖くて、忘れられない」
A「私はあなたがいない今が怖いよ。聞いて、あなたがいないコートでも、私はずっと、あなたの声を探してたの!!」
暗転
BAさらない
真ん中で背中合わせで座る