睦月の背中に隠れて高広先輩とその隣の女の人を観察する。
「分かってるよ、睦月。こんなに女子に近寄られたら気分悪いよね!でもね、私は昨日から危機的状況だから協力して!」
あとでジュースおごるから!
早口でそう言うと、キッと睨まれた。
こ、怖っ!いつにも増して怖い!
「……最悪」
「ご、ごめんって!でも高広先輩が……」
……先輩が、無口な先輩が隣の女の人と話してる。
時々笑ったりして、なんだか楽しそうだ。
そんな姿を見て、胸がズシリと重くなった。
キュッと睦月のカーディガンを握る。
「……小春は100のダメージを受けた」
「はぁ?」
どうしよう。
昨日の合コンで知り合った人かな?
彼女かな。
彼女、出来ちゃったのかな。