『お前、本当に俺のこと好きだった?』

『……言い訳もなしかよ』




自分の机の上に浅く座って、はぁー、と長く息を吐き出す。


秀人、アンタは私のことサバサバしてる奴だと思ってるんだろうけど。

……私だって、ただの女の子なんだよ。



「なんて、今更こんなこと思ったって意味ないか」



そう呟いて、私も教室を出る。

それから、ほとんど無意識にある人物に電話をかけていた。




《もしもし?》

「あ、高広?今暇?」




高広は違う高校の幼なじみ。

家は隣同士だけど、バッタリ会うことはあんまりなかった。


小さい頃はよく一緒にいて、高広には何でも話せて、

……だから、こうやって自分に余裕がないときに頼るのもいつだって高広だった。