コンコン。
控えめなノックの音が社長室に響く。
「失礼いたします」
重厚な茶色の扉を開けて入ってきた人物は秘書課の松永室長、私の直属の上司だ。
「……社長。
葛城さんも困惑されますのでせめてきちんと説明をしてください」
話の内容を知っていたのか、呆れ顔の松永室長に社長はニッコリ微笑む。
「大丈夫よ!
穂花ちゃんはわかってくれているわ」
「……社長。
就業中は社員を苗字でお呼びください。
……仕方ないですね、事情は私から葛城さんに説明します。
社長は書類に目を通してください。
後でお茶をお持ちします」
松永室長はキビキビと的確な指示をして、私と一緒に社長室を辞した。
公恵叔母さんに秘書の打診をいただいた二十歳のお祝いの日から四年。
私はここ、須崎株式会社秘書課に籍を置いている。
秘書業務はまだまた不慣れで先輩秘書の都築さんや松永室長のレベルには到底追い付かない。
それでも優しい先輩方に教えていただきつつ、日々の業務に励んでいる。
控えめなノックの音が社長室に響く。
「失礼いたします」
重厚な茶色の扉を開けて入ってきた人物は秘書課の松永室長、私の直属の上司だ。
「……社長。
葛城さんも困惑されますのでせめてきちんと説明をしてください」
話の内容を知っていたのか、呆れ顔の松永室長に社長はニッコリ微笑む。
「大丈夫よ!
穂花ちゃんはわかってくれているわ」
「……社長。
就業中は社員を苗字でお呼びください。
……仕方ないですね、事情は私から葛城さんに説明します。
社長は書類に目を通してください。
後でお茶をお持ちします」
松永室長はキビキビと的確な指示をして、私と一緒に社長室を辞した。
公恵叔母さんに秘書の打診をいただいた二十歳のお祝いの日から四年。
私はここ、須崎株式会社秘書課に籍を置いている。
秘書業務はまだまた不慣れで先輩秘書の都築さんや松永室長のレベルには到底追い付かない。
それでも優しい先輩方に教えていただきつつ、日々の業務に励んでいる。