「……聞いてません」
精一杯の力を振りしぼって返答した声は自分のものとは思えないくらいに掠れていた。
千歳さんはどういうつもりで私と今、過ごしているんだろう……。
散々嘘をついてきた私なのに、いざ隠されていたことを知らされるとこんなにも心が痛い。
「……おかしいわね、あの子ったら何を考えているのかしら。
穂花さん、そんな表情をしないで?
私からもそれとなくあの子に確認してみるから。
とにかく、今、穂花さんはお手伝いさんを辞めたい、そういうことよね?」
確認するかのようにゆっくりと話す有子おばさまに力なく頷く。
目の前のパンケーキはアイスクリームがとけだして、生クリームと混じってパンケーキに染み込んでいく。
先程までの美味しそうな様子にはとてもじゃないけれど見えない。
そしてその混沌とした姿はまるで今の私のようで。
自分が情けなくなった。
だけど。
これだけは言わなければいけない。
気を抜けば滲み出しそうになる涙を必死に押し止めて私は有子おばさまに向き直る。
「……自己満足かもしれないのですが、千歳さんにこれまでのことを話してもいいでしょうか……今まで嘘をついた分、きちんと謝罪して正直に話したいんです」
精一杯の力を振りしぼって返答した声は自分のものとは思えないくらいに掠れていた。
千歳さんはどういうつもりで私と今、過ごしているんだろう……。
散々嘘をついてきた私なのに、いざ隠されていたことを知らされるとこんなにも心が痛い。
「……おかしいわね、あの子ったら何を考えているのかしら。
穂花さん、そんな表情をしないで?
私からもそれとなくあの子に確認してみるから。
とにかく、今、穂花さんはお手伝いさんを辞めたい、そういうことよね?」
確認するかのようにゆっくりと話す有子おばさまに力なく頷く。
目の前のパンケーキはアイスクリームがとけだして、生クリームと混じってパンケーキに染み込んでいく。
先程までの美味しそうな様子にはとてもじゃないけれど見えない。
そしてその混沌とした姿はまるで今の私のようで。
自分が情けなくなった。
だけど。
これだけは言わなければいけない。
気を抜けば滲み出しそうになる涙を必死に押し止めて私は有子おばさまに向き直る。
「……自己満足かもしれないのですが、千歳さんにこれまでのことを話してもいいでしょうか……今まで嘘をついた分、きちんと謝罪して正直に話したいんです」

