蘭ちゃんが足を止めたのは観葉植物がうまく配置されて、半個室になっているテーブル席だった。
「蘭、遅かったわね。
化粧室は混んでいたの……。
あら、千歳?
まあっ、穂花さんも!」
「何で俺より穂花を見る方が嬉しそうなんだよ」
恨みがましい言い方をする千歳さんに有子おばさまはニッコリと笑った。
イエローベージュの半袖のシンプルなワンピースを上品に着こなして、大振りの真珠のネックレスを付けた有子おばさまはいつも通りの素敵な姿だった。
「ほら、穂花さん、座って座って。
蘭は私の隣りに移動して……千歳と穂花さんは向かい合わせに座ってね。
偶然ねぇ、嬉しいわ!
ここのパンケーキが美味しいって公恵さんに聞いて、やっと予約がとれて、今日来たのよ」
「有子おばさま、ご無沙汰しております」
ペコリと頭を下げる私に。
「嫌だ、そんな堅苦しくしないでちょうだい。
何を食べる?
私はこれをいただいたのよ、すごく美味しかったわ!」
「あ、では私も……」
少女のように楽しく話す有子おばさまを蘭ちゃんは冷ややかに見ていた。
「……ママ、穂花さんに好きなものを選ばせてあげなよ」
「あ、いえ、私は……」
「まあ、ごめんなさいね、穂花さん。
好きなものを注文してね。
千歳は?
決まったの?」
「蘭、遅かったわね。
化粧室は混んでいたの……。
あら、千歳?
まあっ、穂花さんも!」
「何で俺より穂花を見る方が嬉しそうなんだよ」
恨みがましい言い方をする千歳さんに有子おばさまはニッコリと笑った。
イエローベージュの半袖のシンプルなワンピースを上品に着こなして、大振りの真珠のネックレスを付けた有子おばさまはいつも通りの素敵な姿だった。
「ほら、穂花さん、座って座って。
蘭は私の隣りに移動して……千歳と穂花さんは向かい合わせに座ってね。
偶然ねぇ、嬉しいわ!
ここのパンケーキが美味しいって公恵さんに聞いて、やっと予約がとれて、今日来たのよ」
「有子おばさま、ご無沙汰しております」
ペコリと頭を下げる私に。
「嫌だ、そんな堅苦しくしないでちょうだい。
何を食べる?
私はこれをいただいたのよ、すごく美味しかったわ!」
「あ、では私も……」
少女のように楽しく話す有子おばさまを蘭ちゃんは冷ややかに見ていた。
「……ママ、穂花さんに好きなものを選ばせてあげなよ」
「あ、いえ、私は……」
「まあ、ごめんなさいね、穂花さん。
好きなものを注文してね。
千歳は?
決まったの?」

