葵くん、そんなにドキドキさせないで。



い、いいいい言わなきゃ、陽菜ちゃんに!


これからお弁当食べれないって

葵くんの偽の恋人になったんだって





「(言えっ、私!)」




ぎゅっと手のひらを握りしめて陽菜ちゃんを見る


私の真剣な表情に、キョトンとする陽菜ちゃん。





「あのね、私…」
「ひなぁ!部活のミーティング今日になったって!!あと5分で始まるよぉっ」





最後まで言い終わらないうちにかき消された私の言葉


ええっ、とビックリして廊下の方を見ると、
陽菜ちゃんと同じソフトボール部の子がいて。




「げっ、まじ?すぐ行く!」




それからひなちゃんは、はぁ、とため息をつきながら立ち上がって、パチンと手を合わせた





「ごめん華子っ、ミーティング行かなきゃ…」