いやっ、別にそれがダメとかじゃないよ?
好きな人に名前を呼んでもらえるのは、嬉しいもん。
ただ……。
「……ん?」
私と目が合った葵くんは、首をかしげる。
うう、家で勉強する時だけメガネをかけるとか聞いてないよ。
カッコいいなぁ。
こんなにカッコいい人が彼氏だなんて、私って本当に贅沢者。
「田中さん」
「えっ、あ、はいっ」
私のことを呼んで、頬杖をつく。
メガネを外すその仕草もカッコよくて、思わず見惚れてしまった。
「さっきから勉強進んでないみたいだけど」
「うっ……」
「勉強じゃなくて俺とイチャイチャしてーの?」
「ええっ!?」