ペチペチとほっぺを軽く叩いた葵くんは、

そのままギュッと私を抱きしめて寝ようとする。




きっとベッドから出ようとしたって無駄なんだろうな……。




諦めた私は、大人しく葵くんに抱きしめられることにする、けど。






「……絶対、風邪移っちゃうよね……?」


「深いやつしたからね」


「どうしよう……」


「いーじゃん、別に。俺が看病すれば問題ないだろ」






……もし、葵くんに看病されることになったら、

うんと甘やかしてもらおう。



それと、今は少しだけ寝かせてもらおう。




頭の中でそう考えて、私はそっと目をつぶった。