「は、はい、どうぞ」





葵くんを見ないようにしながら、お粥を食べさせて、

薬も飲ませて、ホッと一息ついた。



これで熱も下がるよね……。




食器を片そうと立ち上がる、けど、

パシッと手首を掴まれてしまうわけで。





「あの、葵くん?」





恐る恐る振り返ると、眉を寄せて、顔をしかめている葵くんが。





「……どこ行くんだよ」


「えっ?えっと、片付けを……」


「……」





ギュッと、手首を掴む手に力がこもる。






「……そばにいて」






小さな掠れた声に、ドキンと胸が鳴った。


な、何これ……葵くん、可愛すぎるよ?






「俺から離れたら許さねーから」



「っ、う、分かったから……」