「どうなってもしらねぇけど」


「っ」





気怠げにそう言って、親指で唇をなぞる。



私は、ギュッとスカートの裾を握った。





「……ほ、本当はっ」





やっとの思いで声を出して、葵くんを見る。



本当は。





「葵くんの顔が見たかっただけなの……」





冬休み、全然会えてなかったから、





「葵くんが、その、恋しくて……」





離れるの、嫌だなって。


顔を見たらそう思ってしまった自分がいた。




小さくそう言って葵くんを見ると、


いつもの余裕そうな顔が崩れていて、少し戸惑う。





「葵くん?」





もしかして、さらに気分悪くなったとか?


葵くんが心配で、ほっぺたに添えてあった手を両手で包み込んだ。





「葵くん、大丈夫?」