「……なんで田中さんがいるわけ」
「あっ、葵くん、顔色が良くない……」
「バカ、風邪引いてるからに決まってるだろ」
中から出てきた葵くんは、ものすごく辛そう。
声掠れてるしだるそうだし、咳もしてる。
で、でも、
ドアにもたれかかって腕組みをしてる葵くん、
い、色気がすごい……。
って、こんなことを考えてる場合じゃない!
「いきなり来てごめんなさいっ。あのね、学校のプリント届けに来たのと、」
「……と?」
「その、看病しに……」
小さくそう言うと、はぁーって深いため息をつかれる。
ううっ、やっぱり迷惑だった……?
「あの、じゃあお家の人に買ってきたもの渡して帰るね。
それで、えっと……」

