「おはよう、陽菜ちゃん」
教室にはもう陽菜ちゃんがいて。
「おはよー!」って、手を振る。
少し伸びた髪の毛を一つに結んでいて、大人っぽくなっていた。
「この前遊んだ時に撮ったプリクラね、お母さんに見せたら華子のこと可愛いって言ってたよ〜」
「うう、それはプリクラが可愛く撮ってくれるからだよ……」
陽菜ちゃんのお母さん、実物は可愛くないです……。
そんな会話をしていると、チャイムが鳴った。
先生が入ってきてHRが始まる。
チラッと葵くんの席を見ると、そこはぽっかり空いたまま。
葵くん、遅刻かな?
遅刻なんて珍しいな……。