葵くんには、また明日にでも話そう。
だってまだ心の準備が……。
「……わっ」
足の向きを変えて、葵くんから離れようとする。
だけど、腕を掴む力は少し緩んでいたのに、その途端またギュッと強く掴まれて。
わ、わけが分からなくなった。
葵くん?って名前を呼んでも、反応なし。
「……んの」
「え?」
「大野と、付き合ってんの?」
やっと口を開いたかと思えば、こんなことを聞いてくるから。
び、ビックリした……。
なんで急にそんなこと……?
「告白されたんだろ、アイツに」
「そう、だけど……」
やっぱり、この前の聞こえてた、よね。

