葵くん、

私は葵くんの役に立てたかな。




葵くん、

また作り笑顔ばっかりの毎日だね。





……葵くん。









「……好き」









小さく呟いて、今度こそ教室から出ようとした


その時。









「っ、え……」






「……何してんの?」








寝ていたはずの葵くんに右腕を掴まれて、

ドサっと持っていたカバンを落としてしまった。




な、なんでこのタイミングで起きちゃうの……っ。




ハッ、て、ていうか、葵くんさっきの聞こえてた……!?





「なに」


「い、や、別に……!」




良かった、あの反応だと聞こえてなかったみたい。



ホッと胸を撫で下ろす。