これが、本音。


本当は、少しだけでいいから、葵くんの顔が見たい。




契約が終わってから、葵くんのことは見ないようにしてた。


だって、どうしたって女の子達に囲まれてるところを見ることになるでしょう?




だから、ちょっとだけ……。




そーっと葵くんに近づいて、腕と前髪の隙間からその顔を見た。





……寝顔を見るのは、屋上の時以来だなぁ。


最初、急に膝を貸してって言うからビックリしたっけ。




もう、あの時みたいに一緒にいることはないんだよね。



ズキッと胸が痛くなる。




でも、しょうがないよね。


元々釣り合ってなかったもんね。

私、ただの女避けだったもん!





「……キレイな寝顔」





葵くんはやっぱりカッコいいんだなぁって、改めて実感した。