ね、眠ってるのかな?
全然動かないや。
ゴクリと唾を飲み込んで、葵くんの元へと行こうとする、けど。
「……何やってるのよ、私」
もし葵くんが起きたらどうするの?
気まずくなっちゃうよっ。
ただでさえ最近は全く話してなかったんだし。
……でも、葵くんにも話さなきゃいけないことがあるのも事実。
でもでもっ、さっき大野くんに自分の気持ち伝えたばっかりだよ?
ハイ次は葵くん、ってそんな簡単にいけるものでもないっ。
ブンブンと首を振って、カバンを手に取った。
教室を出ようとするけど、な、中々足が踏み出せない。
……葵くんの顔、見たいな……。

