また近づいてきた葵くんから逃げようとすると、
スッと手が伸びてきた
壁に手をついて、私の顔を覗き込む
「っ、」
綺麗な顔が間近にあって、息をするので精一杯
心臓がドキドキしていて、この音、葵くんにも聞こえてるんじゃないかってぐらい
クスッと、昨日と同じように意地悪く笑った葵くんは、
「拒否権ないって言ったよね?」
私の目をまっすぐに見ながらこう言った。
…なんとかして離れたくて
だって、これ以上このままでいたら心臓壊れちゃいそうで
男の子とこんなに近づいたのは、これが初めてだし
この状況に色々と頭がついていかないし

