目の前にいる大野くんに、開いた口が閉まらない。
えっと、どうしてここに……?
「今日、俺日直」
そう言って、しゃがみ込む大野くんの手には、確かに日誌があって。
きっと職員室に持っていく途中だったんだろうなぁ。
「随分派手にぶちまけたねー」
「あっ、大丈夫だから!私1人でなんとかするし」
プリントを拾ってくれる大野くんに、慌ててそう言う。
私がやらかしてしまったことだもん。誰かに手伝ってもらうのは申し訳ないよっ。
「そんな警戒しなくても、もうあんなことしないよ?」
クスクス笑う大野くん。
"あんなこと"って言うのは、多分、私にき、キスをしてきたことだよね?

