葵くん、そんなにドキドキさせないで。



5限目と6限目の間の休み時間。

授業中に陽菜ちゃんに
《葵くんに終わりにしようって言われちゃった》
って、これだけメールで伝えた。



さっきの時間は授業どころじゃなくて、ずっと落ち着かなかった。




陽菜ちゃんと2人っきりになったら、涙腺が緩んでしまった。


どうしよう、陽菜ちゃん。

私、どうすればいい?




「ひっく……葵くんに、イライラするって、言われたの」


「えっ!?」




『……田中さんを見てると、イライラする』




前にも言われた言葉。


もう、一番考えられる理由なんてこれしかない。




「華子、落ち着いて?大丈夫だから……」

「っ、葵くんに、」




葵くんに、嫌われたくない。

だけど、多分。