葵くん、そんなにドキドキさせないで。



***


葵くんから、期間限定の彼女を終わりにしようって、言われた。



そりゃ、私だってこの関係がずっと続くとは思ってなかったよ?


3ヶ月後には終わるって、分かってた。



でも、展開が急で、頭が追いつかない……。





「華子っ、どういうこと?どうして終わりにしようって……」


「わ、私にも分からないの」





知らない間に、無意識に、葵くんにとって嫌なことをしちゃってた?

それとも、私自身に嫌気がさした?




「うっ、陽菜ちゃ、」

「あぁっ!泣かないで……!」




ポロポロと涙を流す私を見て、陽菜ちゃんは慌ててハンカチをポケットから出した。



トイレに来ておいて正解だった。

だって泣いてる姿なんて、誰にも見られたくないもん。