だれって、言えるわけないよ。
私の好きな人は、葵くんだから。
「ま、聞いたって素直に言うわけねーか」
そう言いながらパッと腕を離して、葵くんは立ち上がった。
いつもと違う葵くんに、戸惑う。
「3ヶ月限定の彼女っていう契約内容だったけど」
「え……」
「それ、ちょっと変えていい?」
すっと、右手でピースサインを作った葵くんは、
「2ヶ月で終わりにしよ」
小さく、そう言った。
でも、に、2ヶ月って……今日は11月25日だから、
……だから。
「今日で終わり。今までありがと」
頭の中が、真っ白になった。
どうして、そんなことを言うんだろう。

