走り出したタクシーに深く腰掛ける。


窓の外には夜のネオンが綺麗に見える。


ちらりと時計を見れば、まだ8時過ぎだ。



「まだ早いからね。会議の後に始まったから、早くから飲んでたんだよ。」


「そうみたいですね。」


「片桐さんはビール派?」


「何でも飲めます。」


「そう?ならバーに行くから、ぜひカクテルでも。」



バー?


行きつけがバー?


ちらりと隣の双葉さんを見る。


まあモテるだろう。


女を口説く場所か?


女とかコロッと堕ちそうな感じだ。


自分に自信がある男なんだろう。



「ん?何?」


「いえ。バーとかお洒落なんですね。」


「落ち着いて飲めるからね。」



ただの女好きか?


イケメンで背も高いし、容姿は文句なしだろう。


見た目ならモテるタイプだ。



「双葉さんって、いくつです?」


「28。」


「そうなんですね。」



やっぱり年下だ。