若い若いと思っていたが、あっという間に年を重ねている。


池田さんも感じてるのだろう。



「片桐さんは結婚が決まってるし。」


「山中は…………若いか。」


「そう。まだ25だよ。」


「年下彼氏だから仕方ないと思うけど。」



山中は心配いらないだろう。


だって池田さん一筋なのは私にも伝わっている。


池田さんも分かってる筈だ。



「あー、年なんて取りたくない。」


「池田さんはいつも綺麗だよ。」


「それは片桐さん。なんか益々綺麗になってない?愛されてるから?」


「何それ。」



クスクスと話しながら出社すれば、隣の席の山中は既に出社していた。



「おはよ、山中。」


「おはようございます。」



いつもの会話だ。


これが私の日常だ。



「片桐、会議の資料は?」


「出来てます。」


「葛西の資料はレビューしたか?」


「これからです。」



葛西とは新人だ。


基本は山中が指導するが、今は忙しので私が面倒を見ている。


今日も上から指示され、下に指示していく。


そんな毎日が繰り返されていく。