「莉乃、行ける?」


「うん。」



玄関へ向かえば、陽平が靴を履いた状態です待っていた。



「莉乃。」



出掛ける前にキスをする。


いつもの彼だ。


手を繋いでマンションを出ていく。



「早く結婚したい。」


「一緒に暮らしてるでしょ。」


「それでも結婚したい。莉乃のウエディングドレス姿とか綺麗だろうな。」


「若くないから期待し過ぎないでよ。」


「若いとか関係ないでしょ。俺にとって莉乃が最高のパートナーなんだから。」



最高のパートナー。


陽平の言葉に顔が緩んでしまう。



「莉乃は?」


「…………最高のパートナーだよ、陽平は。」


「間があった。」


「恥ずかしいの。わかるでしょ?」


「可愛い、照れてる莉乃も。」



これもいつもの彼だ。


照れる私を可愛いと褒めてくる。



「莉乃、今日も会議あるから。」


「なら会えるかもね。」


「午後からだからランチは無理だ。」



残念そうな陽平にクスリと笑いが漏れる。