そんな大樹の姿をじっと見つめた。



「莉乃、今は幸せか?」


「うん。」


「本当は…………傷つけた分を俺が幸せにしたかったって思ってる。」


「大樹、それは違う。そんな関係はずっと続かないよ。」


「そうかもな。でも俺が我慢すれば…………。」


「そんなんじゃ幸せになんてなれない。」



少し強めな声が出た。


大樹の視線が私へと向けられる。



「罪滅ぼしの関係なんて続かないよ。」


「…………。」


「大樹、もういいんだよ。私は今が幸せだから。」


「莉乃。」



大樹に笑みを浮かべて見せた。


自分は幸せなんだと伝えたかった。



「もういいんだよ、大樹。」


「そっか。」



大樹が私から外の景色へと顔を向けた。


大樹は今どんな表情をしてる?



「大樹?」


「ごめん、莉乃、ありがとう。」


謝りたいのか、お礼を言いたいのか…………。


クスリと笑ってしまった。