2人で向かい合ってテーブルに座った。


ランチをお互いにオーダーして運ばれてくるのを待った。



「莉乃、双葉さんと結婚するのか?」


「どうだろ?彼は若いし。」


「若いってほど若くないだろ。俺らの同期でも28なら結婚してた奴もいたし。」



そう言われれば。


つい年下だと思って若い若いと勘違いしていたのかもしれない。


28なら結婚してる人も結構いるだろう。



『莉乃、結婚したい』



陽平の言葉がどこまで本気なのか分からないでいた。


そういえば大樹の気持ちも良く分からないって思ったんだっけ。


口にしても、案外本気なのか、本当じゃないのか伝わりにくいモノなんだな。



「莉乃、幸せになれよ。」


「えっ?」



突然の言葉に、他の事を考えていた私は大樹を見た。


大樹は窓からの景色を眺めていた。



「俺は莉乃を傷つけた。それが…‥ずっと引っかかってた。」


「…………。」



外を眺めながら話す大樹は昔を思い出しているのだろうか。