夜ご飯の材料とかをスーパーで買い帰宅する。



「莉乃、おかえり。遅かったな。」



陽平が部屋にいて驚いた。


渡していた合鍵で入って寛いでいたみたいだ。


大樹の事を考えていた私は少し後めたい気分だ。



「陽平は早かったんだね。帰りに夜ご飯の材料を買ってきた。」


「莉乃が作ってくれるの?」


「うん。陽平、早いなら一度帰れば?」


「…………何で?」



陽平の声が低くなった。


買い物袋から食材を出す手が止まる。


陽平の近づいてくる足音が聞こえる。



「何で帰る必要があるの?」



すぐ後ろから声が聞こえ、後ろに振り返って陽平を見上げた。


不機嫌な陽平が私を見下ろしていた。


笑みを浮かべた私は陽平から視線を外して、前を向き直し、止めていた手を動かし始めた。



「まだ時間が掛かるから。お風呂とか着替えとか……あるかなって。」


「莉乃の部屋に置いてあるし、風呂も一緒に入るから。」