お昼になれば案の定。



「片桐さんの奢りでいいです?」


「…………何を怒ってるの。」


「告げ口したでしょ。」


「誰に?」


「山中。」


「ん?」



前の席に座る池田さんに首を傾げて惚けてみた。


私を睨む彼女はよっぽど山中に何かを言われたみたいだ。



「私が最高のパートナーを探してるとか言ったでしょ。」


「彼女が探してるかもとは言ったよ。」


「分かってて言いましたよね。」


「だって二人で内緒にしてるから。」



目の前に運ばれたランチに手を伸ばした。


美味しそうな海鮮丼だ。



「ハジメだっけ?」


「…………。」


「御曹司で最高のパートナーでしょ?」


「片桐さんは御曹司なら最高のパートナーなんですか?」


「ん〜、違うかな。」


「私もです。」



やっと食べ始めた池田さんが海鮮丼を頬張る。


今日も髪を巻き、ネイルも綺麗にされている。



「毎日綺麗に見えるのは彼の為?」



そんな疑問が湧いた。