私の返事を聞くと池田さんも席に戻っていく。


座り方が少し乱暴だ。


ちらりと山中を見れば、全く知らん顔で仕事をしている。



「片桐さん、何ですか?」


「いや、別に。」


「教えてくれてありがとうございます。」


「あっ、うん。」



視線を感じれば池田さんに睨まれた。


やっぱり肉食なのは山中か。


見た目は優しくて柔らかい雰囲気なのに。



「片桐さん、今度飲みません?」


「あっ、うん。」


「あの場所でどうです?」


「…………。」



度胸のある男だ。


これでも山中の教育担当だし、6年も先輩なんだ。



「池田さんの情報は欲しくないの?」


「…………。」


「もう教えないよ。」


「俺も情報を流しますよ、彼氏さんに。」



意外な切り返しに山中を横目で見た。


目と目が合えば、ニヤリとする山中の腹黒さが垣間見える。



「今日、浮かれてますよね?そんなに楽しかったですか?」