そういったきり、シーンとしました。

どこかで歓声と拍手が薄く聴こえてきます。


「私はね、出会った者には必ず魔法をかけることにしている。」

急に魔法使いが言いました。

「でもね、私もずいぶん歳をとった、今日あった人で最後にしようかと思っていたんだ」


少し、その声は笑っているように聞こえました。

「君は、どんな魔法をかけようか」