❀ お嬢様華伝 ❀

どこからか声を聞きつけたのか、お邪魔虫の蛍がやってきた。


「飛鳥、マジで覚えてねぇのっ!?」

「覚えてねぇっていうか…。俺、途中で潰れたのか?」

「いや。自分で布団に入ったぜ?」


自分で「寝る」って言って布団に入ったくせに、あのときの飛鳥は完全に記憶を飛ばしていたなんてっ…。


「じゃあさ、飛鳥!」

「…なんだよ?」


ニヤリと笑う蛍。


嫌な予感がした。