❀ お嬢様華伝 ❀

ついさっきまで、こんなことを言っていた自分がかわいく思える。


あたしのファーストキス…。


それは、…霧雫の味だった。



「おはよー…」


寝ぼけたまま1階へ下りると、台所に母ちゃんが立っていた。


居間では、父ちゃんが横になりながらテレビを見ている。


「あれ…?朝から、村の除草作業じゃなかったっちゃ?」

「も〜、なにを寝ぼけたことを言ってるっちゃ〜。もう、昼前っちゃね!」