「うわぁぁぁ〜ん…!」


公園に響く、女の子の泣き声。


見ると、赤い服を着た女の子が木のそばで泣いていた。


「どうしたの〜?どこかケガしたの?」


あたしは、すぐさま女の子に駆け寄った。


「…うぅっ。ふ…ふうせんさんが……」


女の子はそう言って、木の上を指差す。


見上げると、高さ3メートルくらいのところの枝の間に、赤い風船が引っかかっていた。