❀ お嬢様華伝 ❀

丸メガネくんは、あたしに深くお辞儀をすると帰って行った。


はぁ〜!

いいことすると、やっぱり気持ちいいな!


「さ〜て!あたしも帰ろうかなっ!」


あたしは伸びているチンピラを跨いで、上機嫌のまま、地面に置いていたバッグを肩にかけた。


…そのとき。


カシャ…、カシャ…


ほんのわずかな音だけど…。


どこからか、カメラのシャッターを押す音が聞こえた。