❀ お嬢様華伝 ❀

リムジンのドアの前でピタリと止まったあたしを、中から不思議そうに見つめる桜子。


あたしは、キョロキョロと辺りを見渡す。


…今、声が……。


このまま、なにも聞こえていないフリをして、リムジンに乗り込んでいれば…。

今日みたいに、学校帰りにみんなでお茶を楽しむような…安定のお嬢様ライフを過ごせていた。


でもあたしは、…どうしても聞き過ごすことができなかった。