手を差し伸ばすと、握られる。 ああ、温かい。 「…これから、どこに行くの?」 「秘密。その前に、寄りたいところがある。」 「うん、分かった。」 ケーキが余程幸せだったのだろうか。 この後起こることが、どんなことかも知らずに。 私は、今のこの幸せをただただ噛み締めていた。