「祐香、」 スマホから顔を上げると、目線とは違う方向から声が聞こえてきた。 「悪い、待たせた。」 嘘? 和翔くん? まだ、約束の時間まで20分もあるのに。 「…ううん、私が少し早く来ただけ。」 「そうか。間に合ってよかった。」