何か、視線の先に赤い液体が見える。 これ、俺の血…? 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、」 ああ、本当に危ないからな。 心臓が悪いのに、急に走ったりしちゃいけないんだからな。 「お兄ちゃーーん!」 俺のそばで、有華ちゃんが泣き叫んでいた。 「大丈…夫だ、心配…する…な、」 血だらけの手が、震えていた。