有華ちゃんは、俺の名前を知って満足したのか少し嬉しそうだ。 「あれ、お父さんだ!!!」 あ、違うな。 近くにいる男の人、有華ちゃんのお父さんを見つけたからだ。 走る有華ちゃんが急にうずくまる。 「有華!!」 有華ちゃんのお父さんが、叫んだとき。 横から、猛スピードで走ってくる車が目に入り、俺は無我夢中で走り出した。