「秘密。」
まずは、家族から。
ー「親父へ。
先に旅立つ親不孝ものの息子で、ごめん。
余命宣告されて、俺さ、本当に生きる希望とか全部なくなったんだ。このまま、自由を奪われないで、自由気ままに生きて死んでいきたいって本当に思った。
だって、そうだろ?自由に生きて、後悔無く生きて、俺の角膜を祐香に託せる。これ以上の幸せってあるか?
でも、それが間違いだと教えてくれたよな。
もしも、手術が失敗したとしたら、俺の角膜を祐香に託して欲しい。
それが、俺の最後の願い。
父さん、今まで沢山愛してくれてありがとう。
伊藤 駆。」

