俺らには、またが無いから。


またな、とは言わなかった。


言えなかった。


「…またね!!!」


「おうよ。」


祐香の走り去っていく姿を見て、俺は呟く。


「最後だ。」


この世界で、1番愛しい人を。


見ることも、抱き締めることも、愛を伝えることも無いだろう。