「祐香…!」 地面に落ちた私の鞄を拾う駆くんの声を聞く余裕もなく、私は公園の中を進む。 和翔くんが、見つからない。 …遅い時間だからか、人は見られない。 「おら!お前が、美夜の男か!」 「…っ!」 ただ、無我夢中で。 声のする方へ、体を向ける。