『祐香ちゃんには、近付くな。』


お袋が、体を壊す直前に何度も言っていた言葉。


「祐香って、誰だよ。」


その名前には、ピンと来るものは無くて。


「そう、“ まだ ” 思い出せないのね。」


「は…?」


「なら、いいわ。とにかく、その名前は忘れなさい。」