「お待ちしておりました。」


ホテルに入るや否や、先方側から声が掛かる。


「お連れの方もいらっしゃると、お聞き致しましたが。」


「連れは、先程帰宅して貰いました。何か、不都合でも?」


「いえ、ではご案内致します。」


和翔くんに一方的に別れを告げたのは、心苦しいけれど。


結局、和翔くんは私をここに連れてくることが目的だったのだろうか。