その後、溺れるように柚葉を抱いた。
数日間作戦のため抱けずにいるだけで身体が爆発してしまいそうに鬱積していたが、その全てを柚葉にぶつけた。
情事のいろはが頭にあってもまだ実践に至れない柚葉は懸命に輝夜の愛に応えて、絶対に離したくない――絶対にこの人の嫁になりたいと願って輝夜の背中に爪を立てた。
「いたた。痛いなあ、後で手当てして下さいね」
「はい。…鬼灯様……」
「輝夜、でいいですよ」
「いえ、まだ本当の夫婦じゃないから…」
口ごもる柚葉の身体に羽織を着せて自らも浴衣を着こむと、床を出て戸棚から酒と盃を取り出した輝夜はふんわり笑って柚葉の隣に戻った。
「では仮ではありますが、ここで夫婦の契りを交わしましょう」
「え…でも…いいんですか?」
「凶姫が出産した後兄さんは祝言を挙げるのですが、私はその後にしようと思います。ですのであなたを少し待たせてしまうけれど…想いは変わりませんよ」
「気が変わったりは…?」
なお不安を言い募る柚葉を抱きしめて膝に乗せて盃を持たせた輝夜は、耳たぶに口付けをして息を吹きかけた。
「私はあなたの全てに溺れているし、これからもそれは変わりません。逆にあなたの気が変わらないように、今ここで盃を交わすんですよ」
ぞくぞくと身を震わせた柚葉は、盃を持たされて酒を注がれると、すぐ傍にある輝夜を潤んだ目で見つめた。
「誓います。私…あなたのお嫁さんになります。…輝夜…様」
三々九度の形式で酒を飲んだ柚葉を見守った後、輝夜もまた同じように酒を口にして、口に含んだまま柚葉の唇を奪った。
「私から男らしく言えれば良かったのですが…あなたの気持ちが分からなかったから躊躇していたんです。でも今なら言えます。柚葉…私の嫁になって下さい」
「はい…。よろしく願いします」
ゆっくり柚葉を床に寝かせた輝夜は、着せたばかりの羽織を剥ぎ取ってにっこり。
「じゃあこれからはいつでもできますね。兄さんのように先に子を作って既成事実を作っておきましょうか」
「い、息吹さんに怒られますっ」
「私は放蕩息子でしたから怒られることには慣れていますから平気ですよ。さあ、私を見て」
星のような妖気の光の瞬く目に吸い込まれる。
柚葉は全てを受け入れて、輝夜は全てを柚葉に注ぎ込んだ。
数日間作戦のため抱けずにいるだけで身体が爆発してしまいそうに鬱積していたが、その全てを柚葉にぶつけた。
情事のいろはが頭にあってもまだ実践に至れない柚葉は懸命に輝夜の愛に応えて、絶対に離したくない――絶対にこの人の嫁になりたいと願って輝夜の背中に爪を立てた。
「いたた。痛いなあ、後で手当てして下さいね」
「はい。…鬼灯様……」
「輝夜、でいいですよ」
「いえ、まだ本当の夫婦じゃないから…」
口ごもる柚葉の身体に羽織を着せて自らも浴衣を着こむと、床を出て戸棚から酒と盃を取り出した輝夜はふんわり笑って柚葉の隣に戻った。
「では仮ではありますが、ここで夫婦の契りを交わしましょう」
「え…でも…いいんですか?」
「凶姫が出産した後兄さんは祝言を挙げるのですが、私はその後にしようと思います。ですのであなたを少し待たせてしまうけれど…想いは変わりませんよ」
「気が変わったりは…?」
なお不安を言い募る柚葉を抱きしめて膝に乗せて盃を持たせた輝夜は、耳たぶに口付けをして息を吹きかけた。
「私はあなたの全てに溺れているし、これからもそれは変わりません。逆にあなたの気が変わらないように、今ここで盃を交わすんですよ」
ぞくぞくと身を震わせた柚葉は、盃を持たされて酒を注がれると、すぐ傍にある輝夜を潤んだ目で見つめた。
「誓います。私…あなたのお嫁さんになります。…輝夜…様」
三々九度の形式で酒を飲んだ柚葉を見守った後、輝夜もまた同じように酒を口にして、口に含んだまま柚葉の唇を奪った。
「私から男らしく言えれば良かったのですが…あなたの気持ちが分からなかったから躊躇していたんです。でも今なら言えます。柚葉…私の嫁になって下さい」
「はい…。よろしく願いします」
ゆっくり柚葉を床に寝かせた輝夜は、着せたばかりの羽織を剥ぎ取ってにっこり。
「じゃあこれからはいつでもできますね。兄さんのように先に子を作って既成事実を作っておきましょうか」
「い、息吹さんに怒られますっ」
「私は放蕩息子でしたから怒られることには慣れていますから平気ですよ。さあ、私を見て」
星のような妖気の光の瞬く目に吸い込まれる。
柚葉は全てを受け入れて、輝夜は全てを柚葉に注ぎ込んだ。

