宵の朔に-主さまの気まぐれ-

風呂場で帯を解かれてくるくる回されてあっという間に裸にされた柚葉は、一周されてじろじろ見られて両手で口を覆って顔を真っ赤にしている凶姫の視線から裸を庇うように胸を隠した。


「な…なんですか?」


「首とか…胸とか…背中とか…お尻とか…!柚葉、あなたの身体…唇の痕がものすごく沢山ついてるんだけれど…」


「!あ、あの、姫様、実はその…そういうことになりまして…」


…まっすぐ歩けなかったりぐったりしているのは、そういうことなのか――

輝夜と柚葉がそういう関係になったらいいなと常々思っていた凶姫は、特に胸の辺りに集中的についている唇の痕が艶めかしくて、柚葉以上に顔を真っ赤にしていた。


「輝夜さんったら…朔よりすごいんじゃないかしら…」


「本人もそう言ってました…」


もごもごと小さな声で同意する柚葉の頭から湯を被せた凶姫は、自らもついでに一緒に風呂に入ってその手を握った。


「良かった…のよね?輝夜さんとそういうことになってあなたは良かったのよね?」


「はい。鬼灯様とても優しくて…そんなに痛くなかったし…でも…」


「でも?」


「一回じゃ済まなくて…それでちょっと疲れちゃって…」


いかに輝夜が自制していたか――

処女の柚葉をその日に何度も抱いた輝夜の心情をなんとなく理解できた凶姫は、柚葉から経緯を聞いてもじもじした。


「…というわけで、朧さんと姫様が教えて下さった情事のいろははなんにもできませんでした」


「当然よ、はじめてであなたがいろはをできるとは思っていなかったもの。それはね、これからなの。輝夜さんがあなたを気遣って愛してくれたのなら、今度はあなたからお返ししないとね」


「お返し!?」


湯の中に顔を浸けて固まってしまった柚葉の背中をにやにやしながら撫でた凶姫は、ぎゅっと抱きしめながら誘惑。


「大丈夫よ心配しないで。私と朧さんが色々教えてあげるから!」


好きな男と肌を重ねた大親友とこれからその系統の話題ができることをものすごく喜んだ凶姫は、終始にやにやしていて笑みが止まらなかった。