女が四名に、彼女たちの父親四名――従者が八名の計十六名の集団が庭に集結すると、縁側に座っている朔を背に雪男が父親らに訳を問い質した。
「これはどういうことだ?こっちの了承もなく訪れるとは無礼じゃないか」
「大変申し訳ありません。ですが主さまに一向に返信をしてもらえず我々としましてはもう強行突破するしかなく、同じ境遇の姫たちと運命を共にすることにいたしました」
「運命って……主さまが嫁を貰うかどうかは主さま自身が折を見て決めることだ。お前たちじゃないんだぞ」
――怒る雪男としゅんとする彼らをため息まじりに見ていた朔は、その中に見知った顔が居ることに気付いて腰を浮かした。
「海里(かいり)じゃないか。どうしてお前が…」
「主さま、お久しぶりでございます。わたくしは来るつもりではなかったのですけど…」
――海里と呼ばれた女はまっすぐで艶やかな髪を頭の天辺で結び、鬼族の特徴でもある気の強そうな顔立ちをしていたが物腰は柔らかく、そして朔と親し気な感じで居間の隅に控えていた凶姫をまたむっとさせていた。
「お、やっぱり海里だったのか。美しくなったなお前」
「雪男様も主さまの妹君を娶られたと聞いておりましたけれど、お幸せそうで良かったですわ」
「…誰よ」
凶姫がぼそりと呟くと、朔はそれを聞いて腕を組んだまま肩越しに凶姫を振り返った。
「元許嫁」
「…えっ!?」
「と言っても家柄で決められただけだし、幼馴染みたいなものだな。小さい頃から知ってるから」
おろおろする柚葉とは対照的に、凶姫はわなわなしながらも状況を把握するためそれ以上口を開くことはなく、また逆にそれが恐ろしく、朔は熱視線を向けてくる姫君たちを一度視線で撫でてため息をついた。
「嫁を貰うつもりはない。よし、これで用は済んだな」
「いいえそうはいきませんとも。先々代様の奥方様とも話はついております」
――またもや祖母である周からの横槍。
ある意味修羅場と化した空気の中ひとり楽しそうにしている輝夜は、最高に楽しい気分になって柚葉から腕をつねられていた。
「これはどういうことだ?こっちの了承もなく訪れるとは無礼じゃないか」
「大変申し訳ありません。ですが主さまに一向に返信をしてもらえず我々としましてはもう強行突破するしかなく、同じ境遇の姫たちと運命を共にすることにいたしました」
「運命って……主さまが嫁を貰うかどうかは主さま自身が折を見て決めることだ。お前たちじゃないんだぞ」
――怒る雪男としゅんとする彼らをため息まじりに見ていた朔は、その中に見知った顔が居ることに気付いて腰を浮かした。
「海里(かいり)じゃないか。どうしてお前が…」
「主さま、お久しぶりでございます。わたくしは来るつもりではなかったのですけど…」
――海里と呼ばれた女はまっすぐで艶やかな髪を頭の天辺で結び、鬼族の特徴でもある気の強そうな顔立ちをしていたが物腰は柔らかく、そして朔と親し気な感じで居間の隅に控えていた凶姫をまたむっとさせていた。
「お、やっぱり海里だったのか。美しくなったなお前」
「雪男様も主さまの妹君を娶られたと聞いておりましたけれど、お幸せそうで良かったですわ」
「…誰よ」
凶姫がぼそりと呟くと、朔はそれを聞いて腕を組んだまま肩越しに凶姫を振り返った。
「元許嫁」
「…えっ!?」
「と言っても家柄で決められただけだし、幼馴染みたいなものだな。小さい頃から知ってるから」
おろおろする柚葉とは対照的に、凶姫はわなわなしながらも状況を把握するためそれ以上口を開くことはなく、また逆にそれが恐ろしく、朔は熱視線を向けてくる姫君たちを一度視線で撫でてため息をついた。
「嫁を貰うつもりはない。よし、これで用は済んだな」
「いいえそうはいきませんとも。先々代様の奥方様とも話はついております」
――またもや祖母である周からの横槍。
ある意味修羅場と化した空気の中ひとり楽しそうにしている輝夜は、最高に楽しい気分になって柚葉から腕をつねられていた。

