帰り道、助手席でわたしはずっと眠っていた。


「じゃあね」と言ってあっさりと別れ、部屋に入ると返すのを忘れたCDが目に入ったが、車はエンジン音を鳴らして遠ざかっていったので、わたしはあきらめて溜息をついた。


わたしはベッドに寝転び、また漫画を読み始める。


またスマホが嫌な音を立てて、わたしはすぐにそれを手に取った。彼からのLINEだった。



俺、明日も暇なんだけど(おまえもきっと暇だよな?笑)、どこか行こうか。CD返してもらうの忘れちゃったし。ていうか、きのうは曖昧な感じになっちゃったけど、俺はおまえが好きだよ。俺とまた、付き合ってくれるよな?



わたしはそのスマホを机に置くと、ベッドから起き上がった。


机の上に散乱する菓子類が気になったので、食べかけのものもすべてゴミ箱に入れる。そこらじゅうにポテトチップスの欠片が落ちていたので、濡れた布巾で机を丁寧に拭く。


そして、台所からコップを取り出して、CCレモンを飲み干して一息つき、本棚からサスペンスものの小説を持ってきて再びベッドの上に寝転んだ。


小説の続きを読み始めても、どこか落ち着かない気分は続いた。胸の中に黒々とした何かが浮かびあがっている。


なんだろうこの気分は。


どうしてわたしは混乱しているのだろう。


もう一度CCレモンを飲もうか。炭酸を飲めばすっきりするだろうか。