「やっ、やらしいこと、するんじゃないでしょうね……?」
「どんな?」
ニヤッと意地悪に笑いかけてくる。
「……言わせんな、バカ」
「ボクはただ、純粋にもっと梁ちゃんのそばに寄りたいだけだよ」
「どさくさに紛れて変なことする気?」
「心配性だなぁ。でもまあ、密室って、ドキドキするもんね?」
「するか」
……ほんとは、今にも心臓が爆発しそう。
こんなとこに2人きりになって。
「そう? ボク、ドキドキしてるのに」
「……ほんとに?」
愛も?
「うん。梁ちゃんといるときは、いつだってドキドキしてるよ。梁ちゃんが席をたって追いかけたらトイレに入ってっちゃったときも、ドキドキしながら待ってる」
「警備員さんここにHENTAIがいます!!」
「ジョークだよ」
「愛の冗談は笑えない」
「梁ちゃんは?」
「……はぁ?」
「――聞かせて」


